So-net無料ブログ作成
検索選択
前の5件 | -

キャラメルボックス 2016年入団・新劇団員ご紹介 [製作総指揮としてのお知らせ。]

演劇集団キャラメルボックス

2016年入団・新劇団員ご紹介

今年の「キャラメルボックス劇団員オーディション」で、現役劇団員たちのハートを射止めたのは、この3人っ!!


yakehana.jpg
竹鼻 優太(たけはな・ゆうた)

◆出身地/岩手県

◆生年月日/1994年5月2日

◆身長/168cm

◆入団までの足取り/盛岡中央高校→東海大学→キャラメルボックス俳優教室(13期生)




motoki.jpg
元木 諒(もとき・りょう)

◆出身地/東京都

◆生年月日/1994年1月7日

◆身長/181cm

◆入団までの足取り/都立葛飾野高等学校→東京フィルムセンター映画俳優専門学校




yamane.jpg
山根 翼(やまね・つばさ)

◆出身地/東京都

◆生年月日/1991年11月20日

◆身長/186cm

◆入団までの足取り/都立雪谷高等学校→東京理科大学→キャラメルボックス俳優教室(13期生)




 なんと今年は、入団者3人が3人とも男性、という珍しいことにっ!!おそらく、1993年以来なのではないかと思います。



 竹鼻と山根は、多数の劇団員を生み出してきた「キャラメルボックス俳優教室」出身。元木は、成井豊が講師をしている「東京フィルムセンター映画・俳優専門学校」出身。去年入団した山﨑雄也・石森美咲・大滝真実の3人と同校で同期です。

 竹鼻は、3月3日(木)〜13日(日)の「舞台芸術集団 地下空港」の音楽劇『赤い竜と土の旅人』に出演しているそうですので、すみだパークスタジオのご近所の方は是非観に行ってあげてくださいっ。

 山根は、3月16日(水)〜20日(日)の「旋風計画(アネモイプログラム)」の公演『クローズ・ユア・アイズ』にダブルキャストで出演。入団前から成井演出でキャラメルボックス作品をやってるわけですねっ。中野 ザ・ポケットが近い方は是非。

 それぞれまだ予定が入っているので、徐々に『きみがいた時間 ぼくのいく時間』か『フォーゲット・ミー・ノット』の公演中のロビーでパンフレットを配るお手伝いをしたり、ニコニコ生放送に出演したりしながら、皆さんの前に登場していく予定です。見かけたら「よっ、ニューフェースっ!!」と囁いてあげてくださいっ!!

 ★竹鼻&山根が9カ月学んだ「キャラメルボックス俳優教室」は、阿部丈二、渡邊安理、小林千恵、鍛治本大樹、林貴子、森めぐみ、毛塚陽介、木村玲衣、関根翔太、金城あさみ、が先輩。書き出してみるとスゴいなぁ、と思う、その俳優教室の今年度二次募集締め切りは3月5日(土)。まだ間に合います。

 ★一昨年入団の近藤と去年入団の3人が学んだ「東京フィルムセンター映画・俳優専門学校」はこちら。
  詳細→→→ http://www.movie.ac.jp


2016-03-01 08:56  nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

海上保安庁の職員のみなさんの前でワークショップ付き講演をしてきました。 [加藤昌史講演のご報告]

2016-01-19-13.46.01.jpg

 1月19日(火)、「118番の日」の翌日に、海上保安庁第三管区海上保安本部横須賀海上保安部で、僕が書いた本「人の前に出る仕事の人へ。」をキッカケとしたワークショップ付き講演会を行ってきました。

■横須賀保安部 HP
http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/yokosuka/

※一部写真提供・横須賀海上保安部



 海上保安庁(Japan Coast Guard・JCG)に関しては、『海猿』という映画や不審船との攻防をニュースで拝見したりしているだけの知識しかありませんでした。実際には海にはほとんど行かない僕が、海の警察であり海難救助の専門家でもある組織のみなさんの前で何を話せるのだろう、と最初は思いました。

海猿 [DVD]

海猿 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
 でも、キャラメルボックスサポーターズ・クラブの会員でもある担当の方から詳しくお話をうかがってみると、横須賀保安部の管内にはヨットやプレジャーボートが停泊するマリーナが多く、また船舶の交通がものすごく多い場所のため、通常時からパトロールや「訪船指導」という、船ごとに注意喚起をお願いするような活動も行っているため、一般の方々とお話をする機会が多いとのこと。そこで、「人の前に出る海上保安官」のために実技も含めた講座をやって欲しい、というご依頼でした。

 本来は、1月18日の「118番の日」(「海の110番」の知名度を高めるための記念日)に合わせて、というお話でしたが、こちらの事情で19日にしていただきました。ところがそれが、結果的には18日は東京都内が雪で交通が混乱したので偶然ですが正解でした。

■118番の日
http://www.kaiho.mlit.go.jp/doc/tel118.html
 
 そのご依頼に対して僕は、テーマを「歓迎されるパトロールと訪船指導」と決めて、ダブルチャレンジ『きみがいた時間 ぼくのいく時間』『フォーゲット・ミー・ノット』のどちらにも出演しない劇団員の中から畑中智行と原田樹里に手伝いをお願いして、生まれて初めて、海上保安庁の敷地の中に足を踏み入れてしまったのでしたっ!!
 
 ところがっ。
 前打ち合わせの段階で、僕がワクワクしているのが見透かされてしまったのか、講演の前に巡視船や保安部の中を特別に見学させてくださる、ということにっ!!
 しょっえぇぇぇぇぇーっ!!
 
 ……で、おそらくこれは、海上保安部の方からしても「広報活動」の一環だった模様で、僕たちがうかがう時間に大きな「巡視船あしたか」と最新鋭でちょっと小型の「巡視艇ゆうづき」が接岸していてくださったとのこと。そうとわかれば、撮らせていただきますよぉぉぉぉっ!!……でも、一眼レフを持って行ったら「おまえなにしに来たんだっ?!」と言われそうだったのでiPhoneで我慢することにいたしました。

2016-01-19-13.02.39.jpg
 ところがっ!!

 行ってみたら、一眼レフを首から下げていたのは海上保安官の方々……!!撮られまくってしまいましたっ!!……やっぱり持っていけばよかった……。

 横須賀海上保安部に到着して中に入ると、すぐに外に案内されて、鍵のかかった港の敷地内へ。
 海上自衛隊の艦船も並んでいて、「あれは掃海艇なので木製ですねぇ」などと、他組織の船の解説もうかがいつつ、JCGの船着き場(?)へ。
 小さいのから大きいのまで、ずらりと並んでいました。
 
2016-01-19-12.16.30.jpg
 最初に乗らせていただく「あしたか」の前で記念撮影。「帽子かぶりますか?」と、制帽(しかも畑中のは"ひさし章"がついた偉い人用の!!)が登場。……海の警察さん、準備が良すぎます……。

 

2016-01-19-12.20.05.jpg
 そして船内で、なんと特別に隊員の皆さんと一緒にお昼ご飯をご馳走にっ!!(←実費負担ですが)

 海上保安庁のマーク入りのお皿でいただいたのは、野菜たっぷりでなんとカキも入ったホワイトシチュー。体が資本のみなさんだけに、量はとっても多かったですがおいしくてびっくり。

 
DSC_4999a_e.jpg
 続いて甲板へ。

 万一の時のための機関砲のすぐ近くまで近寄らせていただいてしまいました。陸上の警察の車両には20mm砲を備えたものなどありませんから、海上保安庁の仕事の厳しさが伝わります。

……と神妙な気持ちになりつつもその近くで記念撮影させていただいてしまったり。

 と、そこへ「制服も着てみますか?」と、海の警察さん。「コスプレもありなんかいっ!!」とツッコミを入れながらもちゃんと着てしまう原田樹里と畑中智行。

 ちなみに制服は「二等海上保安監」のものだそうで、とてつもなく偉い人のらしいですっ。

2016-01-19-12.58.15-HDR.jpg
 制服のまま操舵室に入って座らせていただいたり、もはや単なる社会科見学を越えて、テーマパーク状態っ!!

 が、当然そこは司令室でもあるわけで、機関砲の発射装置もあるわけですから、はしゃいでばかりもいられませんでした。もちろん、その装置は写真には写っておりませんっ。

 
2016-01-19-12.09.01.jpg
 続いて、小回りの利く巡視艇ゆうづきへ。



2016-01-19-13.14.59.jpg
 こちらの操舵室は、最新鋭だけにコンピュータ画面だらけ。さすがにそこも撮れませんでした。

 が、印象的だったのは、窓の近くのいたるところに大きな双眼鏡が置いてあったこと。聞いてみたら、救助するためにはたくさんの目でたくさんの方向を見る必要があるから、とのこと。犯罪捜査よりも圧倒的に海難救助の出動の方が多い、という横須賀海上保安部だけに、双眼鏡の多さにプロの仕事を見たような気がしました。
 
 いやはや、陸のパトカーと消防車と救急車には乗ったことがありますが(←なぜ乗ったかはまたいつかっ!!)、巡視船と巡視艇と言ったら、戦車とレスキュー車みたいなものです。なんと貴重な体験だったことでしょう。
 
 ◇          ◇          ◇

 写真で見る限り浮かれた見学をしていたかのようで、実際浮かれていた部分もありますが、合間合間に乗組員の皆さんからうかがうお話には、沿岸警備と海難救助の最前線におられる方々の熱い想いがこもっていて、身が引き締まる思いでした。

 ◇          ◇          ◇
 
DSC_5086_e.jpg
 そんな見学をした後に、大きな会議室で講習開始。

 当初は「若手を中心に30人くらいの予定です」と言われていたのですが、会場に入ってみたら目算で80人以上!!……ななななななんてことっ?!聞いてませんよぉぉぉっ?!

 ……と、よく見ると、前列の方にシャキッと座っていらっしゃるきりりとした若者たちの後ろの方には、見学させていただいた船にいらした職員のみなさんのみならず、船長(「艦」と呼ぶ船は海上保安庁には無いので「艦長」ではなく「船長」と呼ぶのだそうです)さんや保安部長(警察で言ったら署長)さんなど、上司のみなさんまでもがっ!!

 ……ぐむむむむ。お話をする相手がちょっと変わってしまったわけですが、もうしょうがないです、偉い人たちにもやってもらうしかないでしょうっ。腹をくくりました。
 
※準備していったことの中で、やりきれなかったこともあるので、当日やったことに補足も加えながら書いていきたいと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■自己紹介とごあいさつ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 まず、僕の講演では最初に「こちらから尋ねる」ところから入ります。

 演劇を観たことがある人、キャラメルボックスという名前を知っている人、など。
 いずれも、数人ずつ手を挙げてくださいました。なるほど。

 「では、この仕事に就いてから、怖い目に遭ったことがある方」。
 ……若い職員の方々の間から、数人手が挙がりましたので、聴きに行きます。「海に落ちて、スクリューに巻き込まれそうになった」など、命の危険と隣り合わせの経験を教えていただきました。
 ただ僕の話を聞くだけではなく、みなさんにも声を出してもらいながら進めていきますからね、という、プロローグです。

 そこで初めて、今日やることをお話ししました。
 「制服を着ている人、というだけで、声をかけられる側は緊張します。でも、街には"気の良いおまわりさん"や、"DJポリス"のような"好かれるおまわりさん"もいらっしゃいます。制服を着ていても、その人の人柄や人間力はちゃんと相手に伝わります。相手に怖がられず、スムーズにパトロールや訪船指導ができるための基礎についてお話させていただきます。そのために必要なのは、"ニュートラル"を獲得することです」。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■感情開放
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(1)まず、「おはようございます」という言葉を、いろんな相手に対していろんな状況で言っていただきます。

DSC_5134a_e.jpg
※演台側にいる役者にそれそれの役を演じてもらい、その人が向こうから来た、という設定で「おはようございます」を。

・よくマリーナで見かけるヨットのオーナー
・横須賀の漁師さん
・三崎港のまぐろ漁師さん
・海軍カレーのお店の店主さん
・猿島のアンテナショップの看板娘

・交通課長
・人事課長
・海上保安学校でお世話になった教官
・刑事課長
・警備課長
・海上自衛隊の偉い人

テレビでよく見る女性演歌歌手

→→→最初はどうしていいかわからなかった隊員のみなさんですが、若手の人たちがだんだん「相手が変わると言い方が変わってくる」ということに気づき始めてから、楽しい雰囲気に。

 やっているうちに、制服で声をかける時には同じ口調になることが判明。「横須賀の街で、向こうから酔っ払った海上保安部交通課長が来ました」など、設定の状況を変化させていくと、みなさんの口調がどんどん変わり始めました。

(2)役者が、とある人物を演じるので、その人に向かって言ってみてください。

DSC_5135_e.jpg
僕のメモに書いた人物を、皆さんには知らせずに畑中と原田にこっそり見せて、二人が演じます。その人が、あなたの前を通り過ぎるところに「おはようございます」と声をかけてもらいます。

※演じてもらった人物
・単に、気が弱い人
・単に、偉そうな人
・密輸犯人
・見た目はいかついけど実はいい人
・単に、そわそわしている人
・麻薬を隠し持っている人
・見られたくないところを見られてしまった女性演歌歌手

……など。

 これが、凄かったです。役者達が「犯罪者」の心持ちで通過しようとすると、突然キリッとされる隊員の方々。僕から見ていても、二人の演技はそれほどわざとらしく「犯罪者」っぽくしてはいないのに、中には通り過ぎようとすると一歩足が前に出る人も。完全に、見透かされていました。

 「人を見る眼」は、若手の隊員の方々もかなりなものでびっくり。

 後から伺った話では、この時最初に指名して前に出てくださった方は潜水士志望で、狭き門をくぐり抜けると将来は特殊救難隊員、つまり「海猿」になるかもしれない人だったとのことっ!!うひーっ、いつかドキュメンタリーとかでテレビ越しに再会できるかもっ?!
 
 というわけで、ここでもっといろんなパターンをやろうと準備していたのですが、みなさんがすでに理解されている上に体得されているようにも思われたので早めに切り上げて次へ。

(3)笑う

※これは、演劇用語でいうところの「感情開放(解放)」の度合いを僕が見るためと、その度合いが低い場合には開放のしかたを体で感じていただくためのものです。

・隣同士で向かい合って、相手の目を見て笑ってください。
→→→2人→4人→8人、全員へと
★体の「部分」を指ささないでください。

※普段、訓練時や乗船時には大きな声を出して活動し、任務中以外は前向きで明るく大笑いしていらっしゃるみなさんだ、とうかがっていたのですが、この会場はなにしろ「仕事の場」であって、笑うべきところではないわけです。しかも、若手のみなさんにとっては、雲の上の存在のような上司の方々がいらっしゃるところで「笑う」というのは、かなりハードルが高いことのはず。

※どんどん皆さんを煽って、大声で笑っていただきます。

→→→人が見ている前で笑う、ということは「感情開放」の基本。「楽しい」という感情を、外部からの刺激では無く自分の中から湧き出させ、他者と刺激しあって大きな「架空の感情」を作り上げる。

→→→「笑ってはいけないと自分の心が決めてきた場所」で大笑いする、といううことは、日常と非日常、プライベートと仕事中、仲間と上官、などの、自分の「常識の垣根」を越えるニュートラルを作り上げるための一歩。

・大笑いしたあとに、あらためて「おはようございます」を、さっきやったようにいろんな相手に言ってみる。
→→→「笑う」ことで感情が大きく動いた後だと、同じ言葉もやわらかく感情の振れ幅も大きくなったり細かい表現もできるようになっていることが自分でわかる。

★「常に上機嫌であれ」というのが、僕たちキャラメルボックスの基本です。
犯罪捜査や人命救助などの緊迫した状況は別として、相手が一般の方たち、というパトロールや訪船の時には、是非いつも上機嫌で「心を笑っている状態」にしておいていただければ、相手は怖がらないはずです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
発音
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※海上保安官の皆さんは、普段から号令に慣れていて、お腹から大きな声を出すということに関しては普通の方々より遙かに秀でていらっしゃると思われたので、普段の講演では必ずやる「発声」は省略しました。

「演劇の世界には、【一声二顔三姿】という言葉があります。
舞台俳優にとって、一番大切なのは、顔が綺麗だったり美しかったり、ということよりも、大きくて綺麗な声と、くっきりはっきり話せる滑舌、そして気持ちを伝えることができる表現、という意味です。
【声】の表現を豊かにしようとして滑舌の練習をしたり、大きな声を出したくて腹筋を鍛えたり走ったりすることで、【顔】や【姿】も綺麗になります。
では、懐かしいかもしれませんが、早口言葉をやってみましょう。」

■早口言葉
「有名な高難易度の早口言葉ですが、お仕事柄、これはさすがに全員が言えるのではありませんか?」
・貨客船,万景峰号(かきゃくせん・まんぎょんぼんごう)(×5)

※みなさん、練習し始めたものの、場の空気が一瞬ピリッとしてしまったのですぐに切り替え。

「では、次にお腹が減りそうで、高難易度なこちら」
・赤炙りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ(×3)
→→→若い人たちがニコニコしながら練習してくれました。難しそう。
→→→自信がありそうな若手職員にマイクを向けると、なんとクリア!!

「それでは、次は超絶なヤツです」
・右耳の2ミリ右にミニ右耳(×3)
→→→原田はクリア。畑中は引っかかりつつクリア。
→→→隊員のみなさんは、なかなか言えず。一人では言えたという人も、マイクを向けると言えず。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■顔のトレーニング
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「突然ですが、ここで顔のトレーニングをします」
→→→畑中と原田が前に出て実演。

「顔の部品が全て上に引っ張られるイメージで。顔の向きは正面のままです」
→→→みんな、おそるおそるやってみる

「隣の人を見ないでください。みなさん、ここにいる役者二人以上に凄い顔をしていますが、見えても笑わないで、僕たちに向かってやってください。自分が、すごく変な顔になることを気にせず、思い切りやってください」

→→→「上」の後、下、左、右、と動かしてから、「顔の部品全てを回す」へ。

「特に、眉毛を上に上げる、ということを意識してみてください。しかめっ面に慣れている人は、眉毛やおでこの筋肉が固まってしまっているかもしれません」
→→→かなりの人が、眉毛が動きません。

「いかがでしょうか。かなり、顔が疲れませんか?」
→→→うなずく人多数。

「お気づきかもしれませんが、顔は全体が筋肉でできています。皆さんは人命救助のために全身の筋トレをして、腹筋が割れている方も多いかとは思いますが、顔の筋肉も、これを毎日繰り返して鍛えたりストレッチしていってあげると、ここにいる役者たちみたいに柔軟な表情が作れるようになり、感情を表現しやすくなります。
怖い顔、というのは、顔の筋肉を固めておくことに慣れてしまった人の無表情。厳しい時には厳しく、必要な時にだけ無表情に、そして優しいときには優しく見えるように、と自由に表情をコントロールするためには、顔も筋トレしていただく必要があるのです。」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■あらためて、早口言葉
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「では、あらためて超絶早口言葉をやってみましょう」
・赤炙りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ(×3)
→→→若者たちが「言える!!」とざわつき始める

「では、超絶もやってみましょうか」
・右耳の2ミリ右にミニ右耳(×3)

「いかがでしょうか。たったこれだけ顔の筋肉を動かしてストレッチしてあげただけで、言えるようになった方が多いのではないでしょうか。歓迎されるパトロールと訪船指導のために、是非腹筋をやりながら、とか、ランニングをしながら、顔も動かしてトレーニングしてあげてください。」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■心をニュートラルにする
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「これから、役者達がみなさんの背後に回って、突然肩を叩いて質問します。時間稼ぎをしたり、言いよどんだりしないで、即座に答えてください。聞かれたことを繰り返す、オウム返しも禁止です」

→→→畑中と原田が会場の後ろに回り込み、突然マイクを向ける
・お名前は?
・彼女いる?
・今朝何食べた?
・チャームポイントは?
・私(僕)の第一印象は?
・初恋はいつ?

※この実技の意図
 たとえばテニスの場合だと、高速で飛んでくるレシーブを受けるためには、コートの端に来てもネットのすぐ手前に落されても追いつけるように、瞬間でどの方向にでもダッシュできるような心と体の準備が必要であり、そういう心の状態を「ニュートラル」と僕は呼んでいます。
 ところが普通の人はそんな心の準備などできているわけもなく、突然話しかけられたら驚く間ができてしまったり瞬間で緊張して真っ白になってしまったりするのです。
 ましてや、考えなければ思い出せなかったり言葉が思い浮かばなかったりする内容を突然質問されると、軽くパニックのようになるものです。
 
DSC_5140a_e.jpg
 そんな体験をしていただいている中、果敢にもこの横須賀海上保安部の最も偉い「部長」の肩を叩いて質問してしまう畑中!!

 僕の前にいた最前列の若手職員さんたちが「うわっ」と小さな声をあげたのですが、部長さんはスラスラと笑顔で答えてくださいました。

 ……素敵だ……!!こういう上司だから、みんな命を懸けて仕事ができるのですね。

 しかし、この実技は失敗でした。
 僕の想定が完全に外れてしまったのです。

 なぜなら、隊員の皆さんは全員即応能力に長けていて、我々のような一般人とは異なり、全ての質問に的確に即答されました。

 つまり、隊員の皆さんはこの仕事特有の「ニュートラル」を持っていらっしゃる、ということ。

 普通の人は、とっさの時に自分の言いづらいことを聞かれると困ります。しかし、隊員の皆さんは全く困りませんでした。つまりこれは、「命令には絶対答える」という訓練や、突発的なできごとにも動揺しない訓練を積んでいるからなのだと思うのです。

 本当に驚きました。誇るべき能力です。
 どこからどんな「質問という名の敵」が来ても即応できる、というのは、「職務上体得したニュートラル」と言えるかもしれません。

 その、「攻撃」や「事件」に対してニュートラルでいることができる状態を、パトロールや訪船指導の時にも転用していただければよいのです。
 緊急事態ではない、「一般の方との初対面」というちょっとした「事件」にも、優しい心を表現できる優しい表情で即応していただけたら、と思いました。

 ◇          ◇          ◇
 
 そんなわけで、任務用の制服に身を包んだ若い隊員たちや、お揃いの冬服正装というブレザー姿の幹部のみなさんたちを前に行ったワークショップ形式の講演は終わりました。
 
2016-01-30-14.51.17.jpg
 終ってから、横須賀海上保安部の部長さんとお話をさせていただく機会をいただきました。

 「彼らは、ああ見えて実はものすごく熱いヤツらなんです。救助の訓練の時にも、まあ、歯が浮くようなセリフ、と思われるかもしれませんが、本気で『そんなことで人の命を救えるかーっ!!』と叫んでいたりするんですよ」という一言に、胸を打たれました。

 そして、そのことを語る部長さんの部下を誇らしく思っていらっしゃる声の色にも、感動しました。
  
 こんなに素敵な方々が、私たちの国の海の安全を守るために日々訓練に勤しんでくださり、事が起きれば身を挺して任務に向かっっていってくださっている、ということを知ることができて、とても大切な経験をさせていただいたことに、逆に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 
 こんな大切な仕事をなさっている方々に「演劇」が力になれるなんて、思ってもみなかったことでした。
 私たちは私たちで、これからも訓練を重ねて、お客さんたちの「心の平和」を守るために努力をし続けよう、という気持ちがより一層強くなった1日でした。
 
 ◇          ◇          ◇
 
 ちなみに。
 今回、僕との窓口になってくださった横須賀海上保安部交通課長の方は、南鳥島の電波灯台に勤務していたことがあるそうです!!
 生まれてからずいぶん経ちますが、南鳥島に行ったことがある人と初めて会いましたっ!!
 
 ◇          ◇          ◇

人の前に出る仕事の人へ。

人の前に出る仕事の人へ。

  • 作者: 加藤 昌史
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2015/12/05
  • メディア: 単行本


2016-01-30 14:52  nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

【21度目の1月17日に】生き延びて、そして。 [阪神・淡路大震災]

 このブログでは新年のご挨拶もしないままに17日過ぎてしまいました。
 「キャラメルボックス公式Facebookページ」ができたので、かつてここに書いていた劇団の公式に近い情報やお知らせなどは主にそちらで書かせていただくようにして、このブログには主に加藤昌史が個人的に思ったことや、Twitterに書き切れない長文を書きたくなったときに書くようにしていこうと思っています。
 もっとも、主な発信の場はTwitterであることには変わりありませんので、是非 @katohmasafumi のフォローをお願いいたします。
 
 1995年1月17日5時46分に発生した兵庫県南部地震による大規模災害である阪神・淡路大震災から21年が経ちました。
 過去に何度もこのブログに書いてきましたが、1995年のその日その時、僕たちは『ブリザード・ミュージック』盛岡公演のため盛岡市内のホテルにいました。
 http://www.caramelbox.com/stage/1985-1995/1994_6_blizzard.html
 
 17日と18日の二日間の公演の初日ということもあってか早く目が覚めてテレビを付けたら、神戸で大地震が起きた、というニュース。『ブリザード・ミュージック』は、前年の11月末から新神戸オリエンタル劇場で上演していたので、その後次々と画面上に映し出される街は、ついこの間まで僕たちがいた、まさにその場所の変わり果てた姿でした。
 
 ■神戸新聞NEXT 【特集】阪神・淡路大震災
 http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/sinsai/
 
 十代の皆さんは情報でしかご存知ないでしょうし、二十代の方々も記憶が薄かったりするかもしれませんが、その時点で30数年生きていた僕にとって初めての大きな地震災害で、テレビが普及してからでは最大の被害が出たものとなりました。
 その後2011年に東日本大震災が起きてもっとたくさんの被害が出てしまうわけですが、その時に、少なからず阪神・淡路大震災での経験が活きたことは間違いありません。
 
スクリーンショット 2016-01-16 22.46.47.png
 先日、僕が毎朝チェックしている「ウェザーニュース」という参加型天気情報サービスで、「就寝時の地震対策をしていますか?」というアンケートを採ったところ、それまでに何度も防災や減災に関する情報提供をしてきて、アンケートも行ってきたウェザーニュースの会員の間でさえ、対策をしていない人が70%だった、という結果を見て、衝撃を受けました。

 「やらななければいけないということはわかっているけどやっていない」という方が半分以上。
 そこで、僕もTwitterのアンケート機能を使ってつぶやいてみたところ、397人の方が反応してくださり、その結果はなんと90%の人が「対策していない」という結果に。
 
 これは、2011年の大震災の後にしきりに報道された「正常化の偏見」もしくは「正常化バイアス」と呼ばれる心理学用語で説明される現象で、【自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価したりしてしまい、逃げ遅れの原因となる】(Wikipediaより)、いざという時に恐ろしいことになる状態です。
 
 【tenki.jp】正常性バイアスを知っていますか?「自分は大丈夫」と思い込む、脳の危険なメカニズム @tenkijp http://www.tenki.jp/suppl/m_yamamoto/2015/04/18/3081.html
 
 もちろん、全ての災害や危険に対して常に警戒していたら日常生活ができなくなってしまう、というのは当然です。
 
 しかし、東日本大震災の被害範囲ではまだまだいつ震度7の地震が来てもおかしくない状態にありますし、東海・南海・東南海の「南海トラフ」でもマグニチュード9クラスの大型地震が今起きる可能性もあるのです。
 
 「今乗っている電車が脱線する確率」や、「これから乗る飛行機が墜落する確率」に比べると、はるかに高いです。
 しかも地震は、「来る」ことがわかっているわけですから、対策を取ることで被害を少なくすることもできるのですから、「寝る前に枕元に懐中電灯と携帯ラジオと厚手のスリッパか靴を置いて寝る」ということと、「外出中に大地震で交通がマヒしたときのために、20kmは歩ける準備」だけはしてみたらいかがでしょうか。
 
 寝る前の対策としては、季節によっては暖房がなくなってもいいようにダウンジャケットを置いておくことも必要ですし、建物によっては「バールなど、扉やがれきを排除するためのもの」もあった方がよいかもしれません。
 
 「そんなおおげさな」と思わないで、やってみてください。
 そして、まず自分の命を守って生き延びてください。
 その準備は自分のためではありません。
 自分で救った自分の命を使って、救える人の命を救うために使う準備です。
 
 もう、あんな悲惨な報道は見たくありません。毎朝、新聞の亡くなった人たちのリストを見ながら涙に暮れる日々を過ごしたくありません。
 
 これを読んでくださったあなたは、大地震が来ても、絶対に生き延びてください。そして、一人でも多くの人の命を救ってください。
 
 人の命が奪われた、という悲しい事件が何千何万と起きるのを一つでも防ぐのは、「まず自分が生き残る」という強い意志を持った人を一人でも増やすことから始まると思います。
 


2016-01-17 12:03  nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

本日発売、僕の本『人の前に出る仕事の人へ。』。よろしくお願いいたします。 [ご報告。]

12342564_1000409643331533_1041070876719892117_n.jpg

 結成20周年のときに、『拍手という花束のために』という本を出してから10年、これはほんとに偶然なのですが、30周年の今年、そして今日、『人の前に出る仕事の人へ。』という本を出すことができました。

 タイトルは「人の前に出る仕事の人へ。」ですが、いわゆる「スピーチノウハウ本」ではありません。ましてや、「成功体験談」でもありません。

 この本の元になったのは、今年の1月に行った教員養成系の大学での僕の講演。これから「先生」になろうとしている学生たちにした、「人の前に出る仕事をする心構え」のようなお話からピックアップした内容を、Twitterに毎日書き始めたのがキッカケでした。

 10本ほど書いたところでリツイートが増え始めて、20本ほど書いたところで、なんと出版社から書籍化の依頼が来るようになりました。でも、僕はなにしろ劇団の日常業務で多忙を極めておりましたので、本当に書き続けられるかどうか自分に自信が無かったこともあり、「100本書くまで待ってください」と、引き延ばしていました。すると、それらのツイートを「Togetter」というサイトにまとめたページのアクセス数が10万件を越えてしまい、もうこれは覚悟を決めるしかない、と、出版を決意しました。

■Togetterまとめ「人の前に出る仕事の人へ。」 http://togetter.com/li/781438 

 ご承知の通り、春・夏・秋・冬、とキャラメルボックスは公演を打ち続けてきており、僕も全力で立ち向かってきました。そしてそれらの公演のほとんどのステージで前説もしてきましたので、この本の執筆は起床時間を早めることで捻出してきました。

 いわば、劇場での僕を「夜の加藤」とするなら、この本に登場する僕は「朝の加藤」です。

12308529_1000409533331544_9047528586211410895_n.jpg
 内容は「自分とのコミュニケーション」「日常でのちょっとした心遣い」「苦手な人との付き合い方」「つらいときの気持ちのコントロール」「今の自分からもう一歩踏み出すために」……といったような、あたりまえのことばかり。ネット中心の社会で「生き辛い」「生き苦しい」と感じる方に語りかけるように書きました。一対一で人の前で話すときのちょっとした工夫や、自分の心の持ち方など、「人が人を思う気持ち」について、あたりまえすぎて普段はつい忘れがちなことを、「これ、忘れてますよ」とひょいっとお渡しするような、そんな本になっていると思います。

 2009年のリーマンショック、直後の上川隆也退団、2011年の震災、というトリプルな危機に加えて、個人的にも大きな衝撃があったこの5年間に自分に言い聞かせてきたことを中心に、リアルな人間関係や仕事やネット社会で苦しむ人たちに「もっとラクにしても大丈夫ですよ」ということをお話しているような本です。

 そして、この本の売上げや印税は個人の懐には入れず、全て劇団に入るようにしました。つまり、加藤昌史の時間の全てはキャラメルボックスのものなので、その時間とノウハウを使ったからにはちゃんと元に戻せ、と考えました。

 全国の主要書店でも発売しています。ぜひ、安心してお求めいただき、気に入っていただけましたら、お友達にも「Amazonでポチってね」と薦めていただけましたら幸いです。
 よろしくお願いいたします。

12291765_1000409719998192_5478708736667096181_o.jpg
 加藤 昌史著「人の前に出る仕事の人へ。」
 Amazon 販売ページ http://amzn.to/1Qahu7h


2015-12-05 13:00  nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

板橋区立高島第三中学校講演「自分の気持ちや考えを相手に伝える方法について」ご報告。 [加藤昌史講演のご報告]

 東京都の、板橋区立高島第三中学校というところで、全生徒に向けて講演をやってきました。『BREATH』神戸公演と新潟公演の隙間の、唯一空いていた日にジャストで予定が合った、という奇跡的な1日でした。

 タイトルは、「自分の気持ちや考えを相手に伝える方法について」。

 依頼の連絡をくださった先生はなぜ僕にその講演の依頼をされたのかの理由をご存じなくて、僕はその指定されたタイトルに沿って、中学生が楽しんでもらえるように準備をし、関根翔太と木村玲衣にもアシスタントを依頼して、なにがなんだかわからないまま当日を迎えました。でも、行ってみたら、24年前からずっとキャラメルボックスを観てくださっているという先生がいらっしゃって、その先生の提案で実現した、とのこと。ありがとうございますっ。
CUpF8IjWUAAL5rf.jpg-large.jpeg
校長先生、副校長先生と。


 そこで、せっかく講演メモを作ったので、結果報告とともに、ここにまとめておきます。

◇          ◇          ◇

 私たちは【演劇集団キャラメルボックス】という劇団をやっています。
 「演劇」なんて、漢字の画数が多いし難しそうですが、気にしないでください。
 英語では「PLAY」。「遊ぶ」と同じ意味です。
 僕たちは、毎日遊ぶことを仕事にしている人たちです。今日は、楽しく遊びましょう。

※僕は「講演」のときには、デジタル機材は一切使いません。使うのはホワイトボードのみ。ホワイトボードに、「PLAY」と書いて、お話をしました。
 PowerPointでプロジェクターに投射して、みたいな講演をよく見かけるのですが、それをするとお話をする相手の人たちは「僕という人の話」を聞くのではなく、映像に気を取られてしまって、逆に集中がそがれてしまう、と思うからです。少なくとも、僕はそうです。映像よりも、「その人」が見たい、と思うのです。

--------------------
■感情開放
--------------------
(1)あいさつ
まずは、「こんにちはっ!!」と大きな声でご挨拶。
たいてい、こちらが大きな声で挨拶をすると、みんなが返してくれます。
→→→この時に、声を出していない人がどのくらいいるのかを目で確認し、どんな子たちがいるのかを把握します。

(2)質問をするので、大きな声で答えてください。

演劇部の人→→→いない
放送部の人→→→いない
合唱部の人→→→20人くらい?
野球部の人→→→20人くらい?
ラグビー部の人→→→いない
体育系の部活の人→→→48%くらい?
文化系の部活の人→→→54%くらい? 計算合わないーっ。
部活はやってない人→→→20人くらい?

素敵な彼氏・彼女が欲しい人→→→10人くらいが元気に挙手。
反抗期の人→→→30人くらい? 「反抗期の人は手を挙げないはずなんですけどねぇ」と言うと、爆笑。
大きな声が出せない人→→→30人くらい?

(3)笑ってもらいます。

隣同士で向かい合って、相手の目を見て笑います。
★体の「部分」を指ささないでください。

次に、前後四人で笑いあってください。
次は、横の人たちと八人で笑いあってください。
さぁ、次は周り中を見ながら笑ってください。
→→→体育館じゅうが大笑い

はい、ほとんどの人が大きな声を出せるということはわかりました。
「何か楽しいことがあったから笑った」わけではありませんよね?でも、笑っているうちに楽しくなってきませんでしたか?
そういうふうに、いつも笑っていると、自然に楽しくなることができるんです。

「常に上機嫌であれ」というのが、僕たちキャラメルボックスの基本です。
人に気持ちや考えを伝えたい、と思った時は、まず上機嫌であることを心がけてみてください。そうすると、自然に大きな声でお話することができますよ。

--------------------
■発声・発音
--------------------

早口言葉をやってみます。→→→ホワイトボードに書きます。

(1)きゃりーぱみゅぱみゅ
これは、さすがに言えますか?みんなで言ってみましょう。
きゃりーさんのことが好きな人は、言えます。あんまり興味が無い人は、言えません。
「言いたい」と思う気持ちが、難しい言葉も言えるようにしてくれるのです。そして、何度も何度も言っているうちに、言えるようになりますね。

(2)バナナの謎はまだ謎なのだぞ
最初の「ななのな」のところと次の「なのだ」が難しいですね。
では、言えた人で、みんなの前で言ってみたい人、手を挙げてみてください。
※挙手してもらい、そこに、マイクを持って走って行く
どうぞ。→→→数人にやってもらうが、言えない

このように、自分で言っている時には言えたのに、みんなの前で言わなくちゃ、と思うと言えなくなります。
これが、「緊張」です。または、「恥ずかしい」という気持ち。そういう、邪魔をする気持ちが、言えるものを言えなくしてしまうのですね。

(3)赤炙(あぶ)りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ
これは難問です。では、プロに言ってもらいましょう。関根くん。→→→言えない 木村さん。→→→言えた
さあ、今度は緊張しないで言えますかね?言ってみたい人、手を挙げてみてください。
→→→さっきよりも多く手が挙がる。マイクを持ってみんなのところに行く。数人にやってもらうが、言えない。
→→→手を挙げる子たちは、たいてい「お調子者」や「クラスの人気者」たち。マイクを持つと、はやしたてられる。すると、言えない。

やはり、緊張すると言えなくなる、とわかっていても、言えませんでした。

--------------------
■顔のトレーニング
--------------------

ではここで、顔のトレーニング、というのをやってみます。
これを、毎日1年やれば、素敵な表情の人になれます。
3年やれば、彼氏や彼女ができます。
10年やれば、美男美女になれます。

これをやるときは、隣の人を見ないでください。
ステージの僕たちと、あなたたちは一対一です。
僕たちに向かって、やってみてください。
ものすごく変な顔になるので、自分も見られたくないでしょうから、周りも見ないであげてください。

(1)顔の部品の全てを、「上」に集めるイメージで。
→→→関根と木村が前に出て、実演。
→→→「下」「右」「左」「前」「後」とやってみる。
それでは、今のを連続して、顔の部品全体を回します。まず右回りを、8カウント2回で一周。
次に、8カウント1回で1周に早めます。
では、スピードを速くします。

はい。どうですか?顔をもみもみしている人がいますが、そうなんです、顔を動かすと、ほっぺのあたりが疲れますよね?
実は、顔は全部筋肉でできているのです。運動部の人たちが腹筋を鍛えるように、顔も動かして鍛えることで、表情を豊かにすることができるのです。

これを、1日10回、やり続けてみてください。美男美女になれますよ。

--------------------
■あらためて、早口言葉
--------------------
さて、顔を動かしてみたところで、さっきの早口言葉をあらためてやってみます。
さあ、みんなで言ってみましょう。
「赤炙(あぶ)りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ」
→→→場内がざわつく。

どうですか?言えるようになっていませんか?
「なってるー」「びっくりー」という声とともに、うなずく人たち多数。

顔の筋肉を柔らかくしたことで、口が回るようにもなりました。

心をやわらかくするためには、上機嫌であること。
おしゃべりをやわらかくするためには、顔のトレーニング。

演劇の世界には、【一声二顔三姿】という言葉があります。→→→板書
舞台俳優にとって、一番大切なのは、顔が綺麗だったり美しかったり、ということよりも、大きくて綺麗な声と、くっきりはっきり話せる滑舌、そして気持ちを伝えることができる表現、という意味です。
「声」の表現を豊かにしようとして顔のトレーニングをしたり、大きな声を出したくて腹筋を鍛えたり走ったりすることで、「顔」や「姿」も綺麗になります。

みなさんが好きなアスリート、たとえばテニスの錦織選手なんて、カッコイイですよね。鍛え上げられた立ち姿がかっこいいのはもちろん、インタビューに答える表情や、話している声、内容も、かっこよくないですか?スポーツ選手の場合は、体を鍛えることから始まって、戦うためには声を出しますから、俳優が声をよくしようとして鍛えるのではなく、その逆の方向から鍛えて、「声」も素敵になっている、という現象です。

運動部の人たちは、体から。文化系の人たちは、声から。
アプローチは違っても、素敵な表現ができる人になることはできます。
まずは、毎日顔のトレーニングをしてみてください。

--------------------
■休憩の前に、宿題
--------------------
それでは、この後に10分間の休み時間を取ります。
その間に、考えておいて欲しいことがあります。
「好きなもの」を3つ、考えて、書きだしておいてください。
その好きなものが、なぜ好きか、どこが好きか、オススメポイント、などを具体的に。

それでどうするかは、次の時間のお楽しみ。
先生もですよっ。

--------------------
休み時間
--------------------
そこかしこで、いろいろと話し合っている声。
近くにいた合唱部の生徒さんが、「歌う時の発声練習でも、顔を動かす練習とかしますけど、ここまではしたことありませんでした。勉強になりました」と声をかけてくださいました。

--------------------
■好きなもの
--------------------
では、後半に入ります。
みなさんの好きなものについて、関根と木村がインタビューをしに行きます。
何が好きか、どこが好きか、どんなに好きか、というお話をしてください。
ではまず、二人に、僕にインタビューをしてもらいます。

※「ラーメン」について、僕がしゃべりまくります。
※二人が質問。どんどんしゃべります。

いかがでしょうか。ここまでしゃべらなくても結構です。
では、いきましょう。

■関根と木村が、場内の端と端に分かれてスタンバイ。
手を挙げてもらい、インタビュー。

6人ほど、やってもらいました。
aikoが大好きという人。
ハイスクールD×Dというアニメが好き、と言う人。
クラスのみんなが好き、という人。
コロッケのモノマネが好き、と言う人。
など。

--------------------
■自己紹介を作ります。
--------------------
それでは、今考えてもらった「好きなもの」を元にして、「自己紹介」を作ります。
アイドルの自己紹介を参考にしてもらうとわかりやすいかと思います。

「○年○組の、○○○○です」だけではなく、
「○年○組、○○の、○○なところが大好きな、○○○○です」
と付け加えることで、その人の魅力がぐぐんと強く伝わります。

では、インタビューをしに行きますので、自己紹介をしてください。

「ガーナチョコなら1日1.5枚食べられます。セブン-イレブンの豆大福も欠かせません。○○○○です。」
「○年○組、[1フレーズ、アクション付きで歌う]というaikoのモノマネが得意な○○○○です。」
「○年○組、[変顔をして]っていうコロッケが大好きな、○○○○です。」
……など。

いかがでしょうか。
ちょっと、好きなものを付け加えただけで、その人の中身が伝わってきませんでしたか?
きっと、次から「ガーナチョコさん」とか「aikoさん」って呼ばれてしまうかもしれません。
出会いは、それでいいと思います。

みなさんはこれから、高校に進学したり、就職をしたり、大学に行ったりして、新しい出会いとともに、社会に出て行くことになります。そのときに、所属と名前だけでは、相手に第一印象を残せません。

印象的な自己紹介をして、まず自分から心を開いてみてください。
常に上機嫌で、大きな声で、明るい表情で、一歩相手に踏み込んで、自分を表現してみてください。

きっと、あなたの気持ちは相手に伝わります。

ではまた、劇場かどこかで、お目にかかりましょう。
本日はありがとうございました。

◇          ◇          ◇

講演が終わって会場を出るとき、生徒さんたちのほとんどが、笑顔で僕たちを送り出してくれました。
木村玲衣は、女子生徒のみなさんから「かわいーっ!!」と握手攻め。

先生方は、「ウチの生徒がこんなに積極的になるとは思ってもみませんでした」と驚かれ、「我々の方法が間違っていたのかもしれません」などとおっしゃるので、「いえ、最初にこれは遊びです」と宣言したからではないですか?と話しました。

僕自身の中学時代は屈折して反抗的で後ろ向きな不良だったので、そういうヤツらがいるであろうことも想定していたのですが、高島第三中学校のみなさんはなんとみんな明るくて元気で前向きな人たちでした。

こういう元気なおとなたちがもこの世の中にはいるんだ、っていうことをまず伝えたい、と思ったのがひとつですが、なにより、引率されていた先生方の表情が、始める前と後で180度違っていたのが印象的でした。

なにをどれだけ残せたかはわかりませんが、いつかまたaiko好きな彼女や、コロッケ好きな彼とその仲間たちに再会してみたい、と思った2時間でした。

そして、自分としては、さすがに550人が入った天井が体育館だと、生声は拡散してしまうので、マイクを上手に使う必要があるなぁ、ということもあらためて確認しました。
→→→ちなみに、声が拡散する体育館では、顔からちょっとだけ離したマイクに、粒立てるようにゆっくりすぎず速すぎないスピードで低めの音程で話すと伝わりやすいです。

僕も、体育館の一番後ろまで届く生声をキープするために、これからも腹筋と発声と顔のトレーニングは欠かさずにしていきたいと思いますっ。

◇          ◇          ◇

もうすぐ、僕の著書「人の前に出る仕事の人へ。」が発売されます。

人の前に出る仕事の人へ。

人の前に出る仕事の人へ。

  • 作者: 加藤 昌史
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2015/12/05
  • メディア: 単行本

その中には、タイトルに反して、具体的な「人の前に出て話す方法」は書いてありません。どちらかというと、その心構えや、人の前に出る仕事につく前の心のトレーニング、のようなことを書いてあります。
もし、興味を持たれましたら、ご一読ください。

そして、もしこのような「講演」をご希望される場合は、キャラメルボックスの公演や他の本業のスケジュールの隙間に、行かれる限りどこまででもうかがいますので、是非キャラメルボックスまでメールでご連絡ください。講演料は、芸能人や文化人みたいなものではありませんのでご安心ください。
お問い合わせ先 support@caramelbox.com


2015-11-26 09:11  nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

前の5件 | -
メッセージを送る

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。