西山繭子さん、新刊発売!! [『きみがいた時間 ぼくのいく時間』]
ある時期から、僕は小説と漫画を断ちました。
もちろん、それまでは山のようにどっちも読んでいて、特に学生時代には知らないものはないってくらいまで読まなければ、と思ってドストエフスキーにまで挑戦して挫折したりしておりました。
が、キャラメルボックスを始めて、どうしたって小説を読むのも漫画を読むのも、「自分の創作のため」である成井豊にはかなわないしかなう必要もない、ってことに気づき始めてから、成井のオススメの本は一応買って、読めれば読む、って感じにして、もちろん自分が興味が湧いたものも読んだりはしていたのです。
が。
ある時期から、小説と漫画は、成井と仲村と役者達に任せて、僕はビジネス関係本とかの「演劇をやってる人間だったらきっと読まないであろう本」を徹底的に読まなければいかんぞー、と決意したのでした。だからといって「断つ」までしなくてもいいんじゃないの、とも思うわけですが、そうでもしないと楽しい方へ楽しい方へと逃げるのが僕の良いところ(?)ですんで……。
とか言いながら、ヨメに薦められて(=強要されて)恩田陸さんの作品を読んでゾクゾクしていたり、角田光代(学生劇団時代の後輩)がなんだか賞を取ったとか言うので読んでゾワゾワしたり、五十嵐貴久(←コイツは高校の同級生)の新刊は必ず読んで愕然としたり、などなど、禁じたはずなのになんだかんだで小説は読まざるを得ない状況に追い込まれることが多かったのですね。
でも、世の中の小説好きの人たちから比べれば何千分の一ぐらいしか読書しない僕。
そんなわけで、物書きでもある西山さんがウチに出てくれる、ってことになった時に、キャラメルボックスの中で最もビビッたのは僕だったと思います。……だって、飲みに行っても話題が無いんじゃねーのかぁぁぁっ……?!
西山さんの短編集の1作目『色鉛筆専門店』。
ウチへの出演が決まった直後にAmazonで購入して読んでみました。
短編集なのですいすい読めるのですけど、なんというのでしょう、普通の言葉を普通に使って、でも、やわらかくって、身近で、きゅんっ、てなる感じの言葉の洪水になんとも言えない快感を覚えたのです。
こんなに素敵な言葉を紡ぎ出せる人なら、きっと僕らがやりたいこともわかってくれる。間違いなく、「キャラメルボックスの一員」になってくれる。そう思うことが出来ました。
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芝居って、ほとんどのお客さんが「遠目」で見ます。映画みたいな「アップ」で表情を見られるお客さんは、最前列近辺くらいなものです。
だから、たとえばタレントさんとかで、アップの写真でかわいくても、全身の力、というか、人間力が全身からみなぎっていないと舞台は務まらないのです。
が、『雨と夢のあとに』の時の福田麻由子ちゃんも『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』の高部あいちゃんにしても、お客さんを前にしてから突然「あっ、こうやるのかっ!!」みたいな感じで変わっていき、何十ステージというキャラメルボックスのツアーを乗り越えていきました。
で、今回は麻由子ちゃんと同じ事務所の西山繭子さん。西山さんは、横内謙介さん脚本の『フォーティン・ブラス』という舞台をやったことがあるわけですが、舞台は2本目。そして、年齢は麻由子ちゃんの倍とちょっと(←そーゆー言い方すんなっ!!)なので、映像での役者経験はめちゃめちゃ長いわけです。で、しかも、かなりハードな体験をしていらっしゃって、何本かビデオを見たのですがまさに体当たりな演技をこなしてきている人でした。
だから、いつもだとゲストの人が出演するときっていうのはドキドキワクワクしながらもハラハラしているのですけど、今回は何の不安もなく初日を迎えて、しかも初日が開いて3日目、29日の金曜日の夜の回に突然何かを脱ぎ捨てたかのような演技に変わってぽーーーんっと「次の領域」に行ってしまったのでした。
これはもう、いっしょに出ている上川とか坂口とか西川とかから押し寄せる感情の波のようなものが舞台の上で彼女を包んでいったこともあると思うのですけど、やはり長年プロの役者としていろんな現場を駆け抜けてきた経験以上に、天性のものというのが最も大きいんじゃないかな、と思うのです。
お客さんからもらったパワーを自分のパワーに替えて、それをまたお客さんに向かって噴射する、というのは、テクニックではなく、それに気づこうとする経験値と人間力であったりしますから。
西山さんは、明らかに高速でそのことに気づき、自分で自分を別なステージに持って行ってしまいました。よくアンケートに「もともとキャラメルボックスにいた人みたいですね」と書かれます。キャラメルボックスの劇団員であの位置の役をやるためには間違いなく5年、もしくは10年の月日を必要とします。が、彼女は別な畑で積んできた経験を変換して、見事に舞台で自由に遊び回ることを実現してしまいました。
初日の終演後には「あんなに“恐い”と思ったことは無かった」と言っていた西山さん。中日を迎え、今ではもう「としよりまゆちゃん」だの「ベテランまゆちゃん」だの、ヒドイ言われ方をしつつ、その細い身体からは想像できない透き通った柔らかい声を放って『きみがいた時間 ぼくのいく時間』を締めてくれているのです。
そんな西山さん。こんなの、いつ書くヒマがあったんだよっ?!、と思ったくらいですが、なんと今度は長編小説を出してしまいました。「しょーとほーぷ」。休演日に読もうとしたんですが、すみません、寝てました……。そんなわけで、感想はまた後日、ということで取り急ぎご紹介っ!!
ロビーでも販売しておりまして、そっちには全部西山さんのサインが入っています。是非、どうぞっ!!
おっ。漢字と英語が苦手な三浦剛も、楽しく読んでいるようですっ!!共通テーマ:演劇













上川さんの顔がテレビ画面真ん中になってたりして、結構目立ってましたよ!!
by 鷹の爪 (2008-03-26 00:31)
今、図書館から借りてます(買いなさいよ……)。1ページ目からこの二人が斬りあってたらどうしようとか、要らぬ心配しながら頁めくってます(笑)。
西山さんの本はお芝居見に行った時に買いたいです。今週末の楽しみにします。
by カズキ (2008-03-26 08:58)
by 蒼 (2008-03-26 10:41)
by Tommy_oku (2008-03-26 12:25)
by プラチナ (2008-03-26 13:27)
難しい本は苦手でも、逆さにすれば楽しく読める三浦さん。
やはり真似の出来ない取り柄や長所があるものです(笑)
by 果樹亜瑠 (2008-03-26 19:45)
喧嘩売るなんて・・(爆)
by ハワイアンクラッシャー (2008-03-26 22:24)
ブログライター取材では御世話になりました。
ご存知でしょうが、明日のTBSのはなまるカフェに「若いまゆちゃん」、「いつの間にか背が伸びてたまゆちゃん」が登場するそうです。
達也パパさんもご存じないようでしたらお伝え下さい。
てか三浦さん、ひらがなまで苦手だったんですか?笑
by オスカー (2008-03-27 00:01)
繭子さんて、面白いんです!
綺麗なだけじゃなく、ブラックな面もちゃんとあって。
袖で曲に乗ってみんなと踊ったり、
さらには早着替えのときに変なことをして笑わせたり(笑)。
この2冊の本も面白いです。
家で机の上に置いておいたら、母が知らぬ間に読破してました!
ぜひ読んでみてください(*^o^*)
by 井上麻美子 (2008-03-27 00:52)
逆さまにみているのが面白いです。
by ケンジ (2008-03-29 02:48)
突然ですが、繭子さんに告白されました。
「私、クボッティの顔で、男だったら、好き」
と。
オトコに生まれりゃ良かったよ。
と思いました。
私に似ている男性の方、チャンスかもよ(笑)
というわけで、
ユーモアあり、文才ありな繭子さんに
袖から注目してます。
あ、本まだ読んでません。
はやくよまなきゃー!!
by 久保田晶子 (2008-03-29 08:52)
正直、本の存在を知りませんでしたが、「色鉛筆専門店」をパラっと見て、内容より先に『本』として一目ぼれしてしまいました。短編の1つずつが本の中で意味を持たせるとは。
昔、ある本を開いた時、カバー折り返しに「ありがとう。あなたに捲っていただいて、私は『本』になることができました」という言葉が入ってきた時の衝撃に勝るともおとりません。
で、「しょーとほーぷ」は即買いでした。すっきりした読後感でした。この本にも、子供の頃読書好きだった人への仕掛けがあります。
未読の方は、ぜひどうぞ。
by ソコツネ (2008-04-01 20:12)