So-net無料ブログ作成
検索選択

板橋区立高島第三中学校講演「自分の気持ちや考えを相手に伝える方法について」ご報告。 [加藤昌史講演のご報告]

 東京都の、板橋区立高島第三中学校というところで、全生徒に向けて講演をやってきました。『BREATH』神戸公演と新潟公演の隙間の、唯一空いていた日にジャストで予定が合った、という奇跡的な1日でした。

 タイトルは、「自分の気持ちや考えを相手に伝える方法について」。

 依頼の連絡をくださった先生はなぜ僕にその講演の依頼をされたのかの理由をご存じなくて、僕はその指定されたタイトルに沿って、中学生が楽しんでもらえるように準備をし、関根翔太と木村玲衣にもアシスタントを依頼して、なにがなんだかわからないまま当日を迎えました。でも、行ってみたら、24年前からずっとキャラメルボックスを観てくださっているという先生がいらっしゃって、その先生の提案で実現した、とのこと。ありがとうございますっ。
CUpF8IjWUAAL5rf.jpg-large.jpeg
校長先生、副校長先生と。


 そこで、せっかく講演メモを作ったので、結果報告とともに、ここにまとめておきます。

◇          ◇          ◇

 私たちは【演劇集団キャラメルボックス】という劇団をやっています。
 「演劇」なんて、漢字の画数が多いし難しそうですが、気にしないでください。
 英語では「PLAY」。「遊ぶ」と同じ意味です。
 僕たちは、毎日遊ぶことを仕事にしている人たちです。今日は、楽しく遊びましょう。

※僕は「講演」のときには、デジタル機材は一切使いません。使うのはホワイトボードのみ。ホワイトボードに、「PLAY」と書いて、お話をしました。
 PowerPointでプロジェクターに投射して、みたいな講演をよく見かけるのですが、それをするとお話をする相手の人たちは「僕という人の話」を聞くのではなく、映像に気を取られてしまって、逆に集中がそがれてしまう、と思うからです。少なくとも、僕はそうです。映像よりも、「その人」が見たい、と思うのです。

--------------------
■感情開放
--------------------
(1)あいさつ
まずは、「こんにちはっ!!」と大きな声でご挨拶。
たいてい、こちらが大きな声で挨拶をすると、みんなが返してくれます。
→→→この時に、声を出していない人がどのくらいいるのかを目で確認し、どんな子たちがいるのかを把握します。

(2)質問をするので、大きな声で答えてください。

演劇部の人→→→いない
放送部の人→→→いない
合唱部の人→→→20人くらい?
野球部の人→→→20人くらい?
ラグビー部の人→→→いない
体育系の部活の人→→→48%くらい?
文化系の部活の人→→→54%くらい? 計算合わないーっ。
部活はやってない人→→→20人くらい?

素敵な彼氏・彼女が欲しい人→→→10人くらいが元気に挙手。
反抗期の人→→→30人くらい? 「反抗期の人は手を挙げないはずなんですけどねぇ」と言うと、爆笑。
大きな声が出せない人→→→30人くらい?

(3)笑ってもらいます。

隣同士で向かい合って、相手の目を見て笑います。
★体の「部分」を指ささないでください。

次に、前後四人で笑いあってください。
次は、横の人たちと八人で笑いあってください。
さぁ、次は周り中を見ながら笑ってください。
→→→体育館じゅうが大笑い

はい、ほとんどの人が大きな声を出せるということはわかりました。
「何か楽しいことがあったから笑った」わけではありませんよね?でも、笑っているうちに楽しくなってきませんでしたか?
そういうふうに、いつも笑っていると、自然に楽しくなることができるんです。

「常に上機嫌であれ」というのが、僕たちキャラメルボックスの基本です。
人に気持ちや考えを伝えたい、と思った時は、まず上機嫌であることを心がけてみてください。そうすると、自然に大きな声でお話することができますよ。

--------------------
■発声・発音
--------------------

早口言葉をやってみます。→→→ホワイトボードに書きます。

(1)きゃりーぱみゅぱみゅ
これは、さすがに言えますか?みんなで言ってみましょう。
きゃりーさんのことが好きな人は、言えます。あんまり興味が無い人は、言えません。
「言いたい」と思う気持ちが、難しい言葉も言えるようにしてくれるのです。そして、何度も何度も言っているうちに、言えるようになりますね。

(2)バナナの謎はまだ謎なのだぞ
最初の「ななのな」のところと次の「なのだ」が難しいですね。
では、言えた人で、みんなの前で言ってみたい人、手を挙げてみてください。
※挙手してもらい、そこに、マイクを持って走って行く
どうぞ。→→→数人にやってもらうが、言えない

このように、自分で言っている時には言えたのに、みんなの前で言わなくちゃ、と思うと言えなくなります。
これが、「緊張」です。または、「恥ずかしい」という気持ち。そういう、邪魔をする気持ちが、言えるものを言えなくしてしまうのですね。

(3)赤炙(あぶ)りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ
これは難問です。では、プロに言ってもらいましょう。関根くん。→→→言えない 木村さん。→→→言えた
さあ、今度は緊張しないで言えますかね?言ってみたい人、手を挙げてみてください。
→→→さっきよりも多く手が挙がる。マイクを持ってみんなのところに行く。数人にやってもらうが、言えない。
→→→手を挙げる子たちは、たいてい「お調子者」や「クラスの人気者」たち。マイクを持つと、はやしたてられる。すると、言えない。

やはり、緊張すると言えなくなる、とわかっていても、言えませんでした。

--------------------
■顔のトレーニング
--------------------

ではここで、顔のトレーニング、というのをやってみます。
これを、毎日1年やれば、素敵な表情の人になれます。
3年やれば、彼氏や彼女ができます。
10年やれば、美男美女になれます。

これをやるときは、隣の人を見ないでください。
ステージの僕たちと、あなたたちは一対一です。
僕たちに向かって、やってみてください。
ものすごく変な顔になるので、自分も見られたくないでしょうから、周りも見ないであげてください。

(1)顔の部品の全てを、「上」に集めるイメージで。
→→→関根と木村が前に出て、実演。
→→→「下」「右」「左」「前」「後」とやってみる。
それでは、今のを連続して、顔の部品全体を回します。まず右回りを、8カウント2回で一周。
次に、8カウント1回で1周に早めます。
では、スピードを速くします。

はい。どうですか?顔をもみもみしている人がいますが、そうなんです、顔を動かすと、ほっぺのあたりが疲れますよね?
実は、顔は全部筋肉でできているのです。運動部の人たちが腹筋を鍛えるように、顔も動かして鍛えることで、表情を豊かにすることができるのです。

これを、1日10回、やり続けてみてください。美男美女になれますよ。

--------------------
■あらためて、早口言葉
--------------------
さて、顔を動かしてみたところで、さっきの早口言葉をあらためてやってみます。
さあ、みんなで言ってみましょう。
「赤炙(あぶ)りカルビ 青炙りカルビ 黄炙りカルビ」
→→→場内がざわつく。

どうですか?言えるようになっていませんか?
「なってるー」「びっくりー」という声とともに、うなずく人たち多数。

顔の筋肉を柔らかくしたことで、口が回るようにもなりました。

心をやわらかくするためには、上機嫌であること。
おしゃべりをやわらかくするためには、顔のトレーニング。

演劇の世界には、【一声二顔三姿】という言葉があります。→→→板書
舞台俳優にとって、一番大切なのは、顔が綺麗だったり美しかったり、ということよりも、大きくて綺麗な声と、くっきりはっきり話せる滑舌、そして気持ちを伝えることができる表現、という意味です。
「声」の表現を豊かにしようとして顔のトレーニングをしたり、大きな声を出したくて腹筋を鍛えたり走ったりすることで、「顔」や「姿」も綺麗になります。

みなさんが好きなアスリート、たとえばテニスの錦織選手なんて、カッコイイですよね。鍛え上げられた立ち姿がかっこいいのはもちろん、インタビューに答える表情や、話している声、内容も、かっこよくないですか?スポーツ選手の場合は、体を鍛えることから始まって、戦うためには声を出しますから、俳優が声をよくしようとして鍛えるのではなく、その逆の方向から鍛えて、「声」も素敵になっている、という現象です。

運動部の人たちは、体から。文化系の人たちは、声から。
アプローチは違っても、素敵な表現ができる人になることはできます。
まずは、毎日顔のトレーニングをしてみてください。

--------------------
■休憩の前に、宿題
--------------------
それでは、この後に10分間の休み時間を取ります。
その間に、考えておいて欲しいことがあります。
「好きなもの」を3つ、考えて、書きだしておいてください。
その好きなものが、なぜ好きか、どこが好きか、オススメポイント、などを具体的に。

それでどうするかは、次の時間のお楽しみ。
先生もですよっ。

--------------------
休み時間
--------------------
そこかしこで、いろいろと話し合っている声。
近くにいた合唱部の生徒さんが、「歌う時の発声練習でも、顔を動かす練習とかしますけど、ここまではしたことありませんでした。勉強になりました」と声をかけてくださいました。

--------------------
■好きなもの
--------------------
では、後半に入ります。
みなさんの好きなものについて、関根と木村がインタビューをしに行きます。
何が好きか、どこが好きか、どんなに好きか、というお話をしてください。
ではまず、二人に、僕にインタビューをしてもらいます。

※「ラーメン」について、僕がしゃべりまくります。
※二人が質問。どんどんしゃべります。

いかがでしょうか。ここまでしゃべらなくても結構です。
では、いきましょう。

■関根と木村が、場内の端と端に分かれてスタンバイ。
手を挙げてもらい、インタビュー。

6人ほど、やってもらいました。
aikoが大好きという人。
ハイスクールD×Dというアニメが好き、と言う人。
クラスのみんなが好き、という人。
コロッケのモノマネが好き、と言う人。
など。

--------------------
■自己紹介を作ります。
--------------------
それでは、今考えてもらった「好きなもの」を元にして、「自己紹介」を作ります。
アイドルの自己紹介を参考にしてもらうとわかりやすいかと思います。

「○年○組の、○○○○です」だけではなく、
「○年○組、○○の、○○なところが大好きな、○○○○です」
と付け加えることで、その人の魅力がぐぐんと強く伝わります。

では、インタビューをしに行きますので、自己紹介をしてください。

「ガーナチョコなら1日1.5枚食べられます。セブン-イレブンの豆大福も欠かせません。○○○○です。」
「○年○組、[1フレーズ、アクション付きで歌う]というaikoのモノマネが得意な○○○○です。」
「○年○組、[変顔をして]っていうコロッケが大好きな、○○○○です。」
……など。

いかがでしょうか。
ちょっと、好きなものを付け加えただけで、その人の中身が伝わってきませんでしたか?
きっと、次から「ガーナチョコさん」とか「aikoさん」って呼ばれてしまうかもしれません。
出会いは、それでいいと思います。

みなさんはこれから、高校に進学したり、就職をしたり、大学に行ったりして、新しい出会いとともに、社会に出て行くことになります。そのときに、所属と名前だけでは、相手に第一印象を残せません。

印象的な自己紹介をして、まず自分から心を開いてみてください。
常に上機嫌で、大きな声で、明るい表情で、一歩相手に踏み込んで、自分を表現してみてください。

きっと、あなたの気持ちは相手に伝わります。

ではまた、劇場かどこかで、お目にかかりましょう。
本日はありがとうございました。

◇          ◇          ◇

講演が終わって会場を出るとき、生徒さんたちのほとんどが、笑顔で僕たちを送り出してくれました。
木村玲衣は、女子生徒のみなさんから「かわいーっ!!」と握手攻め。

先生方は、「ウチの生徒がこんなに積極的になるとは思ってもみませんでした」と驚かれ、「我々の方法が間違っていたのかもしれません」などとおっしゃるので、「いえ、最初にこれは遊びです」と宣言したからではないですか?と話しました。

僕自身の中学時代は屈折して反抗的で後ろ向きな不良だったので、そういうヤツらがいるであろうことも想定していたのですが、高島第三中学校のみなさんはなんとみんな明るくて元気で前向きな人たちでした。

こういう元気なおとなたちがもこの世の中にはいるんだ、っていうことをまず伝えたい、と思ったのがひとつですが、なにより、引率されていた先生方の表情が、始める前と後で180度違っていたのが印象的でした。

なにをどれだけ残せたかはわかりませんが、いつかまたaiko好きな彼女や、コロッケ好きな彼とその仲間たちに再会してみたい、と思った2時間でした。

そして、自分としては、さすがに550人が入った天井が体育館だと、生声は拡散してしまうので、マイクを上手に使う必要があるなぁ、ということもあらためて確認しました。
→→→ちなみに、声が拡散する体育館では、顔からちょっとだけ離したマイクに、粒立てるようにゆっくりすぎず速すぎないスピードで低めの音程で話すと伝わりやすいです。

僕も、体育館の一番後ろまで届く生声をキープするために、これからも腹筋と発声と顔のトレーニングは欠かさずにしていきたいと思いますっ。

◇          ◇          ◇

もうすぐ、僕の著書「人の前に出る仕事の人へ。」が発売されます。

人の前に出る仕事の人へ。

人の前に出る仕事の人へ。

  • 作者: 加藤 昌史
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2015/12/05
  • メディア: 単行本

その中には、タイトルに反して、具体的な「人の前に出て話す方法」は書いてありません。どちらかというと、その心構えや、人の前に出る仕事につく前の心のトレーニング、のようなことを書いてあります。
もし、興味を持たれましたら、ご一読ください。

そして、もしこのような「講演」をご希望される場合は、キャラメルボックスの公演や他の本業のスケジュールの隙間に、行かれる限りどこまででもうかがいますので、是非キャラメルボックスまでメールでご連絡ください。講演料は、芸能人や文化人みたいなものではありませんのでご安心ください。
お問い合わせ先 support@caramelbox.com


2015-11-26 09:11  nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

  ※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
 

Facebook コメント

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
メッセージを送る

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。